LOUIS VUITTON ルイ・ヴィトン:新規参入の腕時計に秘めた超一流のエスプリで他のブランドに果敢に攻める
創業年=1854年 / 創業者=ルイ・ヴィトン / 創業地=フランス/パリ:同社が時計界へ本格参入を果たしたのは、2002年の事である。アイコンとして、現在もフラッグシップとなっている「タンブール」はその洗練されたデザインと機能性により時計界に衝撃をもたらす。その後も「ラ・ファブリク・デュ・タン」や高級文字盤アトリエ「レマン カドラン」を傘下に置いて高度な技術力を披露した。2011年より、バーゼルワールドに初参加。自社開発の他に類を見ないコンプリケーションウォッチなど、トップブランドの名に相応しい新型を数多く発表して、時計界でも比類なき存在感を見せ付けた。2014年10月には、ジュネーブに新しいウォッチファクトリーをオープンさせている。参照:腕時計の教科書
少量の高額取引市場と比較的安価に取引される市場の二極化
さっそくオークファンで取引相場をみていこう。比較的新規参入分野であるヴィトンの時計分野であるが、大きな金額が動いている気配は、取引から感じる事は出来るが、新参ゆえにヴィトンといえども高額な取引は少ない。
もっとも二次市場に出てくる数自体は少なく、高額な取引をもって手に入れようと考える事が少ない事が要因といえるだろう。無敵ブランドと思われているヴィトンであっても、時計市場では比較的弱い分野であり、これからの真価に期待したいところであるが、高額なモノを狙うのはまだずっと先になるだろう。買える余力のある人は新品で買う事をオススメする市場の状態である。

一方で低価格市場では猛烈な入札が行われている ヴィトンブランドの底力
オークファンでさらに詳しく取引相場をみていこう。一方でリセールの低い面の取引状況を見ると、多くの参加者が入札に参加しているのが分かる。ヴィトンの分野で比較的リセールの低い分野である時計。
大体 約 55万円までの予算帯で多くの入札者が参入していることが分かる。平均取引価格は約 20万円~35万円のセグメントに取引が集中している。

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LOUIS VUITTON ルイ・ヴィトン 腕時計/130万/付属品保証書/超美品

時計専業ブランドであるスイス勢が多数を占める中で、ファションブランドであり、新規参入分野でのヴィトンは健闘している。
ここ約 10年あたりで、ここまでの市場をつくり、技術の進化を図ったブランドもほとんどなく、流石ヴィトンともいえ、過去のブランドへの信頼の蓄積はどの分野でも応用可能な事を示している。
隣接する他の分野にも積極的に展開をはかるヴィトン
ヴィトンの時計に関して言うと、世間の多くは知らない事が多く、またどのようなモデルがでているのか分からない事が多い。
もうすでに市場に参入して約 15年経つが、浸透力という意味では非常にマイナーな存在である。時計分野は非常に高額で取引されやすいセグメントであり、ヴィトンとしてはシェアを広げておきたい分野でもあるだろう。
また同時に、時計の分野は宝飾の分野と親和性が高く、シナジー効果が得られやすい事も新規参入してきた要因ともいえ、両面を通じて全世界の売上高の底上げを考えても不思議ではない。
個人的に言うと、ヴィトンの腕時計は、ブランドを保有する為の伝説がないに等しい。要はブランドネームだけの状態である。
レジェンドブランドと言われる高級時計ブランドの多くは、その驚異的な記録や伝説をマーケティングの前面に打ち出す事が多く、勝負で勝てる分野をヴィトンには探してもらいたい。
なぜならその技術力が証明される事で、本当の意味で愛してくれる顧客を獲得するには、その伝説を腕に感じながら、誇り高く装着したいからである。