Zenith/ゼニス:時計界の名機を生んだマニュファクチュール
創業年=1865年/創業者=ジョルジュ・ファーヴル=ジャコ /創業地=スイス/ル・ロックル:1865年の創業後、1875年には海軍用計測器やポケットウォッチを製造し、瞬く間に従業員1000人規模の巨大ブランドへと成長。確かな技術力を誇るマニュファクチュールとして、国際見本市や博覧会で2333もの賞を獲得してきた。1969年に作り上げた毎時3万6000振動の「エル・プリメロ」は、他ブランドのクロノグラフをも支え、20世紀の傑作ムーブメントといえる。その誕生40周年を迎えた2009年は、コレクションを一斉再編を断行。第一世代のモデルをモチーフとしてオリジナルを発表する。その後は、ハイビートクロノの「エル・プリメロ」と、3針ムーブの「エリート」を軸に、「キャプテン」「パイロット」そして2014年には「シノプシス」といった新生ゼニスを印象づける、質実剛健なコレクションを展開している。参照:腕時計の教科書
クォーツショックの経営危機から何度か買収されLVMH内で生き残る
69年に自動巻きクロノグラフ、エル・プリメロを発表するが、クォーツショックにより経営危機に陥り、アメリカ企業であるアメリカン・ゼニス・ラジオに買収され、一時は機械式時計の製造を停止し図面や金型の破棄が命じられた。78年にスイスの金融投資グループディキシーに再び買収され、スイス資本に復帰し、機械式時計の製造を復活させた。その後はエル・プリメロとエリートを搭載する時計を主力商品としてきたが、スイス時計業界の再編・グループ化の波の中で、99年LVMHに買収されて傘下に入っている。参照:wiki-ゼニス (時計)
ゼニスに関して言うと、まさに時代を読み間違え、経営で躓いたブランドという印象は拭えない。クォーツショックはスイス時計界に衝撃をもたらし、いくつかのブランドで廃業や危機がかなりあったのだが、ゼニスはそれをモロに受けてしまう。
手広く経営をしていたのが仇となり、急成長していく日本ブランドや米国ブランド、その中でゼニス・ラジオに買収され、スイスの金融投資グループディキシーに救われ、その後ブランド再編の動きで、LVMHに買収されるという憂き目にあう。
技術方式やビジネスのルールが変わる「潮目」を読む事は経営にとって最も大事であるが、初期に大成功した企業に陥る「危機対応能力」というモノを磨いてこなかったのが、旧ゼニスブランドである。
Reference:Zenith Official Luxury Brand Site / Pintarest user page:Zenith Academy Christophe Colombe Hurricane Grand Voyage
ではさっそく価格を見ていこう。過去3年間で取引された高額なモデルの取引金額の一部である。前回取り上げた世界三大高級ブランドやロレックス・オメガよりも、中古市場でも、一段階低い評価を受けているようである。といってもここまで超高級ブランドであれば、それは誤差に過ぎないが。
全体的に程度の良い状態のモノ、約100万円代をキープしているが、金やダイヤ・特殊金属などを使ったモデルなどが取引されているようである。
全体的に見ていると、リセールバリューは大変悪い。ただ私たちのように富裕層ではない人間からしたら、ブランドにおける所有感、優越感などは薄い事が数字で現れている。
これだけ多くの時計ブランドがあって、個人的にはあまり触手が伸びない。これは好みの問題であろう。リセールを狙う場合、リセールバリューはあまり高く無いことを言っておこう。
ゼニス デファイ エクストリーム オープン ステルス
過去3年間の中で唯一欲しいなと思ったモデルが上記である。デファイ エクストリーム オープン ステルス である。まさに多彩なマテリアルである。ゼニス流スポーツ・ウォッチであるデファイ・コレクション。
先進的でインパクト溢れるデザイン。若干派手目のデザインですが、エクストリームスポーツをする際に装着したいと思った事があります。
新生ゼニス色を打ち出す戦略をここ約15.16年しているが、これは「革新をついた驚異的なモデルだ」というインパクトのあるモデルに出会えていないが、これからの新モデルに期待したい。
これはゼニスといえる代表的なインパクトのある新モデルが欲しいところ
これはというインパクトに欠けるブランドである。ロレックスやオメガなどに比べ、どうしても保有したいという気持ちには至らない。
要はそのお金を出して手に入れたいかと言うとそうでもなく、このモデルだから面白そうで欲しいというレベルである。
ハイブランドの時計は高額な投資であり、リセールの低さは大きなマイナスである。親会社であるLVMHのヴィトンと比べそのスター性は比較的薄い。
やはり一度経営危機となり、経営権が移り、他の企業で翻弄されたイメージが付きまとう。それは時計好きであればあるほど、過去のブランドの歴史を気にならないといえば嘘になる。
それも含めてハイブランドである条件は、経営を長い年月支持を受け、時代に変化しながら伝統を守り続けてきた事も重要なのである。今後に期待したいブランドである。